【型式:伊東乾式】
感じる系情報学(≠情報工学)の「情報教育入門書」で、読みやすい本にやっと出会えた。素晴らしい。
同時に、私には紹介が難しい一冊でもある。レッツチャレンジ。
目次紹介。
絶対情報感
- 手と目で脳を加速する
-タッチタイプ初歩と加速学習の本質-
- 手と目で脳をもっと加速する
-WEB速読初歩とインセンティブの重要性-
- 使えない情報を使えるようにする
-知的俯瞰とターゲティング-
- 一通のメールが明暗を分ける
- マジックナンバー7±2
-プレゼンテーションとメディア収録-
- まず褒め、次に対案を!
-反射的アプリシエーションのテクニック-
- 予防公衆情報衛生
-ブロードバンドの光と影-
- ネットワーク・コラボレーション
-内発的駆動力あるグループワーク-
- オリジナリティの三つのツール
- 知識情報の「遺伝子組み換え」
-達成度チェックとアクションプラン-
カリキュラムと履修者の感想
本書は3つの内容で構成されている。以下、イントロダクションより抜粋。カッコ()内はレッスンである。
- 「第一人称性」情報感(1-4)
情報対象の全体像へ開かれた強い予感と確信、実行の感覚
- 「第二人称性」情報感(5-6)
多様な情報通信過程での主客関係の自在な転倒感覚
- 「第三人称性」情報感(7-10)
情報過程を遂行する自分自身を含む全体像の客観的把握の感覚
本書は、伊東乾氏が東京大学で行った全学必履修科目「情報」の講義・演習内容を紹介している。具体的な講義・演習時間の割り振りは巻末の「カリキュラム」を参照のこと。
本書は大学生向けの情報教育実践報告書であるから、本書のママ or 焼き直しを教科情報で展開することはできない。高校の教科情報にどの程度落としこめるかという視点で本書の紹介を試みる。
■使い方
10個のテーマはある程度関連性はあるが、それぞれ独立している。これらを有機的につなげるのは後の課題として、個別のテーマを授業に落とし込む方が初手としては良さそうだ。高校でもすでに行われている事例はレッスン1のタッチタイプ、レッスン3の図解、レッスン4のメール作法、レッスン5のマジックナンバー7±2であろう。ここを起点に考えてみる。
- 図解に関しては、情報デザイン系の授業実践例は数多くあるので先行事例を参考にすれば導入しやすい。ただし、情報活用の実践力に重点を置いていた「情報A」は新学習指導要領では解体され、「社会と情報」、「情報の科学」にそれぞれ吸収されている。
- メール作法に関してはいわゆる情報モラル系の授業として実践されている可能性はある。国語的な要素が強いと思うが、教科情報は学際的な教科なので扱う方が自然だ。
- マジックナンバー7±2はプレゼンテーション系の授業では随分と有名な話だと思う。知識として知るのではなく、学問的な背景も含めた理解へつなげる事は可能だろう。
これらを起点として授業を構築することは十分可能だと考える。
同時に、授業のバックボーンを強くすることも大切だ。タッチタイプにおける指のウォームアップを例にすると、指の肉体的な構造を勉強したり、キーボードの機械的な構造を勉強したり、労働環境の勉強をしたりと様々な展開が考えられる。
■まとめ
情報科教員にとって本書の価値は、「幅が広がる」、「理解が深まる」、「体で感じる」ことにつながるところだと思う。
本書は「東大式」ではく「伊東乾式」だね。:-P
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